モクリエスタッフSの駄話。

中2双子ムスメたち、今年も読書感想文の宿題あり。

夏休みが短いので、7月連休中に読書感想文に手をつけることにした。

本を選ぶのがめんどくさいし、いつも同じような本ばかり選んでしまうので、本は母に選んでほしいと言う。

まかせなさい(笑)

読書の効用の一つは、悩みに対する道筋を見つけること。

本に答えが書いてあるわけではないが、物語を読むことによって自らの状況を一歩引いた眼でみることができる。(*1)

一歩引いた眼で見ることによって、悩みを言葉にすることができる。

悩みを適切な言葉にできれば、それは悩みでなくなる。(*2)

ということで、ムスメたちに個別に聞いてみた。「悩みある?」

悩みに応じて本を処方しようという作戦の上での質問だったが、彼女たちは「ない!」と元気よく即答(笑)

親に悩みは言えないのか、悩むほど考えていないのか、悩まない何かがあるのか……。

 

①親に悩みは言えない

悩み…というか、困ったこと・イラっとしたことはよく話してくれる。

それをわたしは、否定せず聴く。正当化もアドバイスもしない。「うん、そうだったのね」と過去形にして聴く。

否定も正当化もアドバイスもしないから、話しやすいと言ってくれる。

ゆえに、親に話すと面倒だからという理由で話さないことは少ないと思う。

そして、親に言ったら心配するという理由で話さないことがあったら、それはそういう判断をした彼女たちを尊重したい。

「心配はするけど、君ならどうにかできると知っているし、そこから君が学ぶチャンスをつぶしたくないので、心配しすぎないようにしている」と伝えるようにしている。

②悩むほど考えていないのか…

うん、否定できません(笑)

ですが、何にも考えてないわけではない(と思う)。

困ったこと・イラっとしたことが悩みになる前に消化できているんだと思う。

③悩まない何かがあるのか…

中学生女子の悩みの大半は人間関係。
特に仲間外れになることを極端に恐れる。

進化心理学の観点からいうと、仲間という社会的集団を維持することが、ホモ・サピエンスという種を維持することに直結してきた。

だから、ホモ・サピエンスのメスは、社会的な争いを避け仲間を作りたいという欲求を持っている。

その欲求が満たされないと、不安になり心を病むような体の仕組みになっている。

生き物としての仕組みゆえ、そこは変えようがない。

思春期女子の悩みのほとんどが人間関係。

しかしムスメたちは双子。家でも学校でも仲間外れになることはない。

だから悩みが少ないんだと思ったのでした。

ありがたい。

ということで、母の「悩みに応じた本の処方」作戦は、そもそも悩みがなかったという点において失敗(苦笑)。

思春期女子が「悩みそう」なことという内容で母が本を選んだのでした。ちゃんちゃん。

 

— 参考文献 —

 

* 1『読む力は生きる力』脇 明子/岩波書店

「物語を読むということは、主人公や語り手など、自分以外の人間の意識に入りこみつつ、同時にそれを一段上から観察する作業だからです。それをやっていれば、自分自身の意識についても、同様のモニタリングができるようになってくるはずです。」

これができるのは、小4ぐらいからかな。「メタ認知」で調べてね。

 

* 2『エチカ』スピノザ

第五部 「知性の能力あるいは人間の自由について」定理三

「苦悩という情動は、それについて明晰判明に表象したとたん、苦悩であることをやめる」

 

* 3『ねぇトイレに一緒に行こう-3 』https://sakamichi2.exblog.jp/28860886/

 

 

 

 

 

 

 

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